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谷口雅彦 写真展『稚児と大仏 (Yokan to Jissho)』開催のお知らせ

会期:2026年11月14日(土)〜2026年11月29日(日)

谷口雅彦『稚児と大仏』より

 


「Books&Gallery 海と本」では、11月14日(土)- 11月29日(日)まで、写真家・谷口雅彦による写真展『稚児と大仏 (Yokan to Jissho)』を開催いたします。

今回展示するのは、2003年に刊行された谷口雅彦の写真集『稚児と大仏』に収められた写真群です。

「稚児」は江の島の稚児ヶ淵、「大仏」は鎌倉の大仏。
1999年前後の江の島、鎌倉、そして鵠沼を含む、「湘南」の風景や人々が写っています。

ひときわ目をひくのは、鵠沼の白杭と、海に浮かぶ少年をとらえた一枚。
夏になると引地川河口の少し東側に設置される白杭。その右横は、私にとっても馴染みのあるサーフポイントです。
1999年、少年が浮かんでいた海辺は、私自身がいた景色でもありました。

そして、27年が過ぎ、江の島を象徴するように佇んでいた二見館は新たなランドマークへと姿を変え、白杭は夏になると今もそこに現れます。

なくなったもの。
まだ失われていないもの。
そして、これから失われていくもの。

失われる予感とともに、谷口が捉えた「点」は、歳月を経て「線」になり、そしてまたその彼方へ。
その残像の鮮やかさと美しさ、そして哀しさを、今、見つめて頂きたいと思います。

海と本 鎌田啓佑

谷口雅彦『稚児と大仏』より
谷口雅彦『稚児と大仏』より

写真:谷口雅彦『稚児と大仏』より

 

STATEMENT

この写真群は四半世紀前の江の島と鎌倉の写真である。しかし昔を懐かしむ目的での展示ではない。1998年の末、神奈川県の内陸部から思い切って江の島が見える鵠沼海岸のマンションに引っ越しした。1985年、17歳の夏に初めて鎌倉と江の島を訪れてから、ずっと憧れていた「湘南」に住むことができた。地元の人なら、「湘南」というわかりやすい地名を使うこと自体、移住した人と言われるだろうけれど、18歳まで北海道の内陸に育った私にとっては憧れの「湘南」なのだった。住む理由は、人々が生き生きと息づいている様を写真で残したいという思いから。

1999年、確かに世紀末の感じはあった。すぐそこに未来21世紀がきていた。まず最初に取りかかったのは、目の前の海に出て写真を撮ることだった。まだデジタル写真が台頭以前で銀塩フイルム全盛期だったから、短パンのポケットにモノクロフイルムを数本持って砂浜をうろついた。いつものスナップ用カメラのコニカヘキサーを首から下げ、肩にはキャノンの一眼レフを持ち、人との出会いに任せて流れていく。海に入ると決めた日は、水中カメラのニコン二コノスだけを持って砂浜に行った。水中カメラだけはフイルムを巻き上げることができなかったので、チェンジする為に、江の島が見える自宅マンションに帰った。海から始まり、次に街場を撮り、次第に撮影範囲は広がっていった。撮りながらいろいろと思考していた。

私はなぜ写真を撮るのか。その答えを、時間を超えて掴もうとしていたのかもしれない。

何が失われ何が残るのか。その気配と予感。そんな思いでも、時間は残酷にも流れていく。言葉にならない哀しみと失うことの未練。光と共に少しずつその影を脱ぎ捨てていくように瞬間(点・ポイント)は時間(線・ライン)となり遠く遠くに行ってしまう。私たちは失って初めて気がつくことばかりではないか。そんな思いを、手繰り寄せるかのようにこの写真群を見てほしい。

谷口雅彦

 

ARTIST TALK

会期初日の11月14日(土)には、谷口さんを迎えてトークイベントを開催します。
当時の撮影のこと、写真を撮ること、失われていくものと残るもの、そして「点」と「線」について。
谷口さんと一緒にお話しできればと思っています。

日時:2026年11月14日(土)16:00〜

 

谷口雅彦

1967年、北海道旭川市生まれ。
VIVOの写真家、丹野章、細江英公に師事。
現在、湘南と北海道の二拠点生活。

Instagram
谷口雅彦 @masaenken
新夏燈 @shinkatoh20220505

谷口雅彦 写真集『稚児と大仏』

谷口雅彦 写真集『稚児と大仏』(2003年)

 

INFORMATION
・イベント名 谷口雅彦 写真展『稚児と大仏 (Yokan to Jissho)』
・会期:2026年11月14日(土)〜 11月29日(日)
・営業日:水・木・金・土・日(定休日:月・火曜/期間中は土曜日も営業)
・営業時間:13:00 – 18:00
・ARTIST TALK:2026年11月14日(土) 16:00〜
・会場:Books&Gallery 海と本
〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷 3-12-11 つたやビル 3F (江ノ島電鉄 長谷駅徒歩 3 分)
・Instagram:@umi_to_hon_jp